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2007年04月30日

4月第4週(その1)

月曜寄付き 17,589円
高値    17,656円
安値    17,221円
金曜引け値 17,400円

週初高寄りからかぶせ線に始まって、放れては戻りを繰り返した波高き一週間でした。多くのテクニカルシグナルを発生しており、いよいよGW明けには中期の方向性が出てきそうな雰囲気です。
週足でははらみ陰線包む陰線、週足引け値ベースでの値動きはここ一ヶ月ほとんどないものの、保ち合いの中上値の重さを意識させる形が鮮明になってきています。

5月第1週予想
予想上限 17,600円
予想レンジ 17,000円〜17,400円
予想下限 16,900円

5月第1週はGWの合間の2日立ち会いとなるため、先物大口売買に振り回される展開が続くことが予想されます。その中ではレンジ予想はあまり当てになりませんが、とりあえず雲上下限と2月高値・3月安値を基準とした三角保ち合いのトレンドラインは意識しておくべきだと考えられます。
日本市場とともにNY市場にも大きなトレンド転換点が近づいてきている雰囲気が見て取れます。今週は日本市場とは切っても切れないNY市場のテクニカルから見ていきましょう。

まずはダウ日足から。期間は3ヶ月です。

Dow D20070428

2月高値12,800ドル水準から急落後ダブルボトムを打つ形での反発。必要な押し目を付けて足場を固めながら上昇し、12,800ドルを上抜けても勢いが止まりません。このチャートからは、押し目程度の下落は想定されるものの、超えたネックライン12,800ドルを割り込むことはなく安定した上昇トレンドが継続するものと考えられます。

次にナスダック日足を見てみましょう。期間はダウ同様3ヶ月です。

Nas D20070428

ダウ同様の動きに見えますが、少し毛色が違います。四角で囲んだ部分に注目して下さい。2月高値を寄り付きで超えたにもかかわらず、陰線引けから保ち合いを経て上抜けという形になっています。上値抵抗ラインを突破したことによる先高期待よりも目先達成感が優勢だったことが伺えます。先週末にかけて上寄り引けの陽線によって同水準を突破した後は怖々ながら買いも入っているという状況です。この違いはどこから来るのでしょうか?その答は次のチャートにあるかもしれません。

ナスダック週足を見てみましょう。期間は3年です。

Nas W20070428

実はナスダック指数は過去3年間継続している上昇トレンドの上限水準に存在しています。2月高値時点でも同様であったことから、当時は今後数ヶ月を要して2,200ポイント水準までの調整があると考えていました(結局は予想に反して2,330ポイント水準での反発から2月高値を超えることとなりました)。しかしこれはナスダック市場にとって、より悪い結果を招く前兆となるかもしれません。今の勢いを継続することなく反落の動きとなり、突破したネックライン2,530ポイントを割り込むこととなれば、ナスダックは三山に向けた大きな下落相場への動きとなる可能性が高まります。

最後にダウ週足を見ておきましょう。期間は3年です。

Dow W20070428

ダウは週足においても強い動きとなっています。実線で図示される直近のトレンドラインを2006年10月に突破して2007年2月まで上値追いを続けてきた後、急落から反発・史上最高値更新という形です。
しかし、少し不自然な動きも見て取れます。四角でかこった部分、2月急落後の動きです。大陰線によって10月に突破した上昇トレンドラインを割り込んだ後戻り同水準まで、翌週反落の陰線という形はどう見ても上値追いが予想される線ではありません。にもかかわらず翌週大陽線によるトレンドライン再突破から押し同水準まで、上値追いから高値更新は強過ぎます。週足ベースでのダマシ線から大掛かりな踏み上げ相場になっているようにも見えます。
現時点では存在しませんが、破線で図示されるトレンドラインが存在する可能性があり、その場合現水準は同トレンドライン上限水準に位置します。

現時点では株価が好調であるためあまり声高には言われていませんが、アメリカ景気は確実に減速しています。実質GDP速報値は4年振りの低水準となり、企業業績も鈍化しています。記事には『底堅い企業業績は株高につながり、米景気を下支えする要因にもなりそうだ。 とありますが、私は逆じゃないかと思います。つまり『今は株高だから鈍化した企業業績も底堅たいと認識されている』のではないかということです。またサブプライムローン問題は今年後半以降のアメリカ景気にとって小さくない火種となる可能性が高いと考えられます。
こういうニュースがまとめて出てきたこの一週間は、大きなトレンド転換の前兆と捉えるべきかもしれません。

明確には天井が見えないダウと数年来のトレンド上限水準に位置するナスダックが、次にどちらに動くかは予断を許しません。しかしいずれにしても、大きなトレンド決定を近く控えていることが予見されます。

そんな中、日本市場の先行きはどうなのか?その話はその2に譲ります。

投稿者 ronjin : 2007年04月30日 11:23


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