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2007年04月30日

4月第4週(その2)

今週の週末エントリは二本立てになっています。まだの方はその1からご覧になった方がいいような気もしますが、その1はNY市場に関してのエントリなので別に見なくてもいいかもしれません。

まずは日経現物の週足チャートから見てみましょう。

2007Y04M28Dnikkei W

このチャートで注目すべき点は2カ所、丸1での反発と丸2での保ち合いです。丸1の時点ではもっと緩やかなトレンドラインを想定していたため予想を外してしまったのですが、今になって見れば相当強い動きをしています。
ローソク足ベースの上昇トレンドライン上限を底にして遅行線が反発する動きは非常に強く、しかも反発時に生じた線が大陽線による包み線だったことから、このチャートはしばらく続伸から高値更新も期待出来る形となっていました。私の予想自体はその動きに関わらず別の理由から売り継続だったのですが、流石にこの動きには心揺れました。
ともあれ、ここまで強い形になったにも関わらず丸2はいかにも力不足を感じさせる動きです。大陽線を含めて6本のローソク足は波高きものの遅行線ベースでは僅か200円程度の値幅しかなく、しかも徐々に上値切り下げ下値切り上げの三角保ち合いを煮詰める形となっています。

5月第1週は2日立ち会いしかなく、同水準でチャートを埋めれば翌週はいよいよオプションSQとなります。日本相場が休みの間にNYが動いた場合、一気の暴騰・暴落も考えられる一週間です。
基本的には保ち合い放れに付けですが、GWの合間2日間にもやれることがあるんじゃないか?ってことが、このエントリの趣旨になります。でも、その前に日経現物の日足チャートも見ておきましょう。

2007Y04M28Dnikkei-D

見事な三角保ち合いなんですが、このチャートにも一カ所大事な部分があります。四角でかこった部分は、ダブルボトムからの上昇トレンドライン下限を割り込んだ後、これを試すものの超えず下値を切り下げたという動きです。このチャートは急落後ダブルボトムからの反発局面が終了したことを示唆しています。また、今後は図示した三角保ち合いを煮詰める動きから新しいトレンドを作ることが予想されますが、保ち合いの上値抵抗ラインと共に17,450円水準が引け値ベースでの高値水準として意識されることとなります。
ザラ場ベースにおいても三角保ち合いが収束していることが見て取れます。こちらからは高値17,500円、安値17,250円水準が5月第1週のザラ場レンジとして意識されることとなります。

保ち合いがどっちに放れるかは放れるまで分かりませんが、可能性を比較することは出来ます。実線雲中・遅行線<実線・転換線>基準線…1勝1負1引き分けですか。しかも転換線・基準線共に横向きと、一目均衡表からは五分ですね。
じゃぁ次は移動平均線で見てみましょう。ちょっと調べれば誰でも見れるのでチャートは省略しますが、日足移動平均線は5,10,20dMAがまとまりつつほぼ横向き。5dMAが10,20dMAを下回っており、実線はその5dMAに押さえられていることからやや弱気ではあるものの強い可能性を示すものではありません。こっちも五分です。
DMIもトレンドレス、ストキャスもどちらとも言えない水準、MACDもトレンドを示す程の動きはありません。本当に五分ですね。唯一五分じゃない材料があります。それはTOPIX日足チャートです。

2007Y04M28Dtopix D

こっちは三役逆転というだけではなく、直近三角保ち合いの下値支持線を切り下げています。この形から上放れするのは相当難しいため、これを手がかりとするのであれば、日経現物の三角保ち合いも下放れが予想されます。
とはいえこれも次のチャートを見ると今イチ自信がなくなります。TOPIX週足チャートです。

2007Y04M28Dtopix W

遅行線ベースでの下値抵抗ラインを割り込んで右肩下がりの動きとなっていることから、先安感を感じる線ではあるのですが…がっちり基準線と転換線の間に実線が挟み込まれています。
結局はこれを明確に抜けないことにはトレンドを決定することができないということなんですが、逆に言うとここまで方向性を見極められない保ち合いは、一旦放れると非常に大きく・長いトレンドを作る可能性が高いと言えます。その時期はそう遠くないと考えられ、具体的にはSQウィークとなるGW明け後一週間となる可能性もあります。

GWの合間2日間に出来ること、もうお分かりですね?

投稿者 ronjin : 23:15 | コメント (0) | トラックバック

4月第4週(その1)

月曜寄付き 17,589円
高値    17,656円
安値    17,221円
金曜引け値 17,400円

週初高寄りからかぶせ線に始まって、放れては戻りを繰り返した波高き一週間でした。多くのテクニカルシグナルを発生しており、いよいよGW明けには中期の方向性が出てきそうな雰囲気です。
週足でははらみ陰線包む陰線、週足引け値ベースでの値動きはここ一ヶ月ほとんどないものの、保ち合いの中上値の重さを意識させる形が鮮明になってきています。

5月第1週予想
予想上限 17,600円
予想レンジ 17,000円〜17,400円
予想下限 16,900円

5月第1週はGWの合間の2日立ち会いとなるため、先物大口売買に振り回される展開が続くことが予想されます。その中ではレンジ予想はあまり当てになりませんが、とりあえず雲上下限と2月高値・3月安値を基準とした三角保ち合いのトレンドラインは意識しておくべきだと考えられます。
日本市場とともにNY市場にも大きなトレンド転換点が近づいてきている雰囲気が見て取れます。今週は日本市場とは切っても切れないNY市場のテクニカルから見ていきましょう。

まずはダウ日足から。期間は3ヶ月です。

Dow D20070428

2月高値12,800ドル水準から急落後ダブルボトムを打つ形での反発。必要な押し目を付けて足場を固めながら上昇し、12,800ドルを上抜けても勢いが止まりません。このチャートからは、押し目程度の下落は想定されるものの、超えたネックライン12,800ドルを割り込むことはなく安定した上昇トレンドが継続するものと考えられます。

次にナスダック日足を見てみましょう。期間はダウ同様3ヶ月です。

Nas D20070428

ダウ同様の動きに見えますが、少し毛色が違います。四角で囲んだ部分に注目して下さい。2月高値を寄り付きで超えたにもかかわらず、陰線引けから保ち合いを経て上抜けという形になっています。上値抵抗ラインを突破したことによる先高期待よりも目先達成感が優勢だったことが伺えます。先週末にかけて上寄り引けの陽線によって同水準を突破した後は怖々ながら買いも入っているという状況です。この違いはどこから来るのでしょうか?その答は次のチャートにあるかもしれません。

ナスダック週足を見てみましょう。期間は3年です。

Nas W20070428

実はナスダック指数は過去3年間継続している上昇トレンドの上限水準に存在しています。2月高値時点でも同様であったことから、当時は今後数ヶ月を要して2,200ポイント水準までの調整があると考えていました(結局は予想に反して2,330ポイント水準での反発から2月高値を超えることとなりました)。しかしこれはナスダック市場にとって、より悪い結果を招く前兆となるかもしれません。今の勢いを継続することなく反落の動きとなり、突破したネックライン2,530ポイントを割り込むこととなれば、ナスダックは三山に向けた大きな下落相場への動きとなる可能性が高まります。

最後にダウ週足を見ておきましょう。期間は3年です。

Dow W20070428

ダウは週足においても強い動きとなっています。実線で図示される直近のトレンドラインを2006年10月に突破して2007年2月まで上値追いを続けてきた後、急落から反発・史上最高値更新という形です。
しかし、少し不自然な動きも見て取れます。四角でかこった部分、2月急落後の動きです。大陰線によって10月に突破した上昇トレンドラインを割り込んだ後戻り同水準まで、翌週反落の陰線という形はどう見ても上値追いが予想される線ではありません。にもかかわらず翌週大陽線によるトレンドライン再突破から押し同水準まで、上値追いから高値更新は強過ぎます。週足ベースでのダマシ線から大掛かりな踏み上げ相場になっているようにも見えます。
現時点では存在しませんが、破線で図示されるトレンドラインが存在する可能性があり、その場合現水準は同トレンドライン上限水準に位置します。

現時点では株価が好調であるためあまり声高には言われていませんが、アメリカ景気は確実に減速しています。実質GDP速報値は4年振りの低水準となり、企業業績も鈍化しています。記事には『底堅い企業業績は株高につながり、米景気を下支えする要因にもなりそうだ。 とありますが、私は逆じゃないかと思います。つまり『今は株高だから鈍化した企業業績も底堅たいと認識されている』のではないかということです。またサブプライムローン問題は今年後半以降のアメリカ景気にとって小さくない火種となる可能性が高いと考えられます。
こういうニュースがまとめて出てきたこの一週間は、大きなトレンド転換の前兆と捉えるべきかもしれません。

明確には天井が見えないダウと数年来のトレンド上限水準に位置するナスダックが、次にどちらに動くかは予断を許しません。しかしいずれにしても、大きなトレンド決定を近く控えていることが予見されます。

そんな中、日本市場の先行きはどうなのか?その話はその2に譲ります。

投稿者 ronjin : 11:23 | コメント (0) | トラックバック