2006年08月29日

相場を読む

最近アクセス数も増えてきて、質問メールを貰うことも多くなってきました。非常に有り難いことです。その中でも一番多い質問は(個別銘柄の先行きを教えてくれというメール以外では)、何を使って相場予想をしてますか?というものです。こんな質問が来るのも、私の予想したシナリオがそれなりに結果を出してるからだろうと嬉しく思っています。
質問にはその都度答えてきたんですが、最近同じような質問が多くなってきたのでエントリにくっつけておきます。

答え:一目均衡表と移動平均線と酒田五法を組み合わせたものにアメリカ相場の動きを加味して予想しています。

あまりにもシンプルというか、味気ない答えです。おそらく皆さんとほとんど一緒なのではないでしょうか?答がこれだけだとなんだか全然伝わらない気がするので、私が作った9月中旬までのメインシナリオを載せておきます。作り方はとても書ききれないので勘弁してください。

2006Y08M29D 175701125-1

昨日の大幅安で急落シナリオに変更かとも思ったのですが、今日上昇となったことで今のところこのまま使えそうなシナリオチャートです。基本的にはザラバ足も含めて線上に入るように作ってあります(ローソク足は枠内ではなく縦線上にきます)。閑散相場のときなど先物に振られて枠をはみ出すこともありますが、そんな時は買い下がり(売り上がり)で対処します。ただし寄り引け、特に寄り付きでレンジを飛び出した時は別のシナリオに変更されます。もっともこのレンジを寄り付きで飛び出すケースの多くは窓を空けるので、対処は難しくありません。また、窓を空けてもレンジを飛び出さなければシナリオは継続されます。

一例として明日の予想をしてみましょう。
先週「はらみ寄せ陽線の後」から下放れての陰線、長い上影で窓を埋める十字陰線と続いたことから(期間はわかりませんが)下落相場へと突入したことが見て取れます。
今週月曜日に急落したものの20dMAで下げ止まったことから、一旦は戻りを試す動きとなり、今日火曜日は「はらみ十字陽線陰線の後」で続伸シグナルとなりました。しかし16,000円どころは心理的な節目というだけではなく、一目均衡表上でも移動平均線上でも上値抵抗帯が重なるところです。今の閑散相場の市場エネルギーではこれを一気に超えてくることは難しいでしょう。
NY市場ではナスダックに先高感があります。続伸となった場合、日経平均はCME225先物の上昇によって16,000円近辺での寄り付きとなるかもしれません。しかしその場合はその後売り込まれ、かぶせ線となり15,900円以下での引けとなる可能性が高いでしょう。そして下げ足のかぶせ線(または包み陰線)は下落加速のシグナルとなります。
逆のケースもあります。ナスダックは昨日の引けで一目均衡表上の雲上限に跳ね返されています。今日はその雲上限が一気に下落するため、ひょっとしてこの雲上限に連れて下落するかもしれません。その場合の明日の日経平均は今日の下影で寄り付いた後、15,850円近辺までの戻りを試しながらも、最終的には15,800円近辺での引けが予想されます。
チャートの自然さからいえば明日はレンジの上側を埋めたい形です。また、どこかで一回16,000円にはトライしたいところでもあります。なので想定される明日のメインシナリオは、今日の引け値と同水準か上で寄る展開ということになります。結果、16,000円どころでは新規の売り建てで対処していきたいというコメントになるのです。
注意しなければいけないのは、明日寄付きで16,000円を超えてきた時です。このケースでは上放れてのレンジブレークということになって、調整終了から上昇シナリオへの変更が必要となります。

投稿者 ronjin : 19:43 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月18日

セリングクライマックス再び?

日経平均 14,437.24 ▼408.00
TOPIX  1475.28 ▼46.43
東証一部
出来高 20億6,384万株
値上がり銘柄数 76
値下がり銘柄数 1,597

後場揉み合いから下抜け、TOPIXの窓を埋める。出来高も久しぶりの20億株超えとセリングクライマックスの前兆か。今晩のNY市場が大幅続伸すれば、明日一旦反発することもあり得る。急激な反発となった場合、その後反落する可能性が高い。買い方参戦するなら日計り、そうでないなら戻りを売るのが吉と見る。引け際に、たすき・並び黒・差し込みとなる形なら売り、はらみは買い。
徐々にセリングクライマックスの様相を呈してきている。二番底を待って買うのが一番素直な戦術。近いうちに絶好の買い場が訪れるとの見方を継続する。

個別銘柄を見てると買い方の投げと見れる動きが多い一日。明日インデックスが反発することを前提として投げられて上値が軽くなってると思われる銘柄をスクリーニングしてみる。

スクリーニング条件
株価  300円以上1000円以下
出来高 1000単位以上(過去5日平均)
信用売買可能銘柄
今日の出来高が過去5日の出来高平均の2倍以上

実際の信用倍率の増減は、今日の時点では不明であるが、出来高が急増しつつ下落してる銘柄は買い方の投げがあったものと考える。結果は上記条件で得られたものからチャートを見てピックアップしたものである。
3107,3403,4041,4518,5714,9609
この辺りの銘柄は、たとえ吹き上がったとしても戻りを叩かれる可能性も高い。デイトレには使えるが、ポジションとしては持ちにくい銘柄が揃ってる。

一方で、今日のような地合いにも関わらず堅調な銘柄は、やはり買い安心感がある。そんな銘柄も集めてみた。
リケン(6462)
長期下落の後週末に反発に転ずる。上寄りした大出来高の十字線で反発の兆しか。
伊藤忠エネク(8133)
6月安値の後700円を底値にしっかり。下影の長い十字線で下落を嫌う形。dMAがまとまってきており大きく上昇に転じる可能性も。
シンキ(8568)
出来高を急増させながらの赤三兵。打診買いから買い下がっても良さそうな形。

投稿者 ronjin : 18:00 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月25日

和田栄一

たまにはテクニカル以外の話でも…

「和田栄一」
知ってる人には今更な名前ですが、今週は一段と関連銘柄が同意づくかもしれません。

和田栄一氏は兵庫県伊丹市にあるアイ・テイ・エイ、ヴィデオ・サービス株式会社の代表取締役。主に材料系仕手株をメインに扱っていた仕手筋で、村上ファンドが手がける銘柄にもちょくちょく顔を出してた人です。
和田氏の代表的な取り扱い銘柄としては富士紡(3104),岩崎通信(6704),池上通信(6771)などが知られています。6月に入るまでは相場全体が下げる中でも底堅い動きをしていた和田銘柄ですが、6月に入った頃から謎の暴落をしています。
こりゃ村上ファンド関係でなんかあったかなぁ?と思いつつ見てたんですが、とうとう23日にアイ・テイ・エイ、ヴィデオ・サービス株式会社の民事再生法申請が行われたようです。
申請理由はわかりませんが、こういう大口の個人投資家が飛んだとなるとお祭り騒ぎになるのが相場の常。来週あたりからはいろんなところで報道もされていろんな資金が集まってくるかもしれません。
仕手本尊の資金がショートしたときは、その株を別の本尊が買い取って仕手代わりすることも少なくありません。今回の暴落は(市場外での取り引きに制限が多くなってしまったため)市場内での仕手代わり値付けなのかもしれません。もちろんどうにもならなくなった和田氏が投げた可能性もあります。
和田氏が飛んだとの報道で悪材料出尽くしとなるのでしょうか?チャート的には、いくつかの関連銘柄で大出来高の反発シグナルが出ており、先高感のうかがえるものが散見されます。
中でも底打ち反転シグナルとして信用度の高いのは池上通信(6771)。これほどきれいな毛抜き陽線はあまり見かけません。

投稿者 ronjin : 09:18 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月18日

スクリーニング 6月18日

5月28日のスクリーニングエントリをhash氏がフォローしてくれたんだけど、指数の反発を前提に行ったスクリーニングだったため予想通り動かなかった指数の前ではあえなく撃沈。ボラティリティの高い銘柄の組み合わせだったためむしろ下げ幅が指数を上回るという最悪の結果となりました。
そんな指数も今度こそ反発してくれるものと期待して、スクリーニングをやり直してみました。

基本的な考え方は同じです。直近の下落率が大きく、流動性が高く、信用取り組みが厚い銘柄です。その中でもチャートを見て戻り値が稼げるかなというものをピックアップしてみました。
三越(2779), 荏原(6361), コスモ石油(5007), 神鋼電機(6507), 横川ブジッジ(5911)
この辺はまだまだ本格的な反発とはいかないでしょうが、調整を経ての上昇が期待出来ます。あと、今週の赤丸注目銘柄は 西日本シティ銀行(8327)、直近で新規の空売りを抱き込みながらも底堅く調整となったため、反発時には一気の踏み上げ相場も期待出来ます。窓下限まで押してくるようならチャンスです。 松屋(8237)も同様な空売りが出てますが、こっちは2000円を越えたあたりから徐々に上昇が加速しそうです。

投稿者 ronjin : 19:36 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月28日

スクリーニング 5月28日

今週のスクリーニングは出戻り基調になったときに値幅が稼げる銘柄ってことです。基本的には前2つのスクリーニングと同じようなものですが、出戻り時により値幅が期待出来るようにパラメータを設定してみました。

−検索条件−
★信用倍率: 0 倍以上 5 倍以下
★流動性: 1000 以上
★ベータ(対日経平均): 1 以上
★移動平均乖離率5日: 0 %以上
★移動平均乖離率25日: 0 %以下
★移動平均乖離率26週: 0 %以上

現在、日経平均は26週移動平均線の下にいます。にもかかわらず中期的なトレンドの目安となる26週移動平均線の上に位置するという事は出戻り基調の時に上値が軽い事を意味します。また5MAの上25MAの下ということで、日足GCからの続伸を狙っています。結果は以下の通り。

Screening060527

今回もなかなか興味深い銘柄が並んでいます。今回はさらにこの上にファンダメンタルの要素を加えてみましょう。売り上げ、経常利益、純利益とも前期比プラスでさらにPBRが低いものというフィルターです。

★売上高伸び率: 0 %以上
★経常利益伸び率: 0 %以上
★純利益伸び率: 0 %以上
★PBR【株価純資産倍率】: 2 倍以下

Screening060527-2

この辺の銘柄は中期的にも上昇が期待出来るかもしれません。

投稿者 ronjin : 21:38 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月24日

5月24日 寄付き前

DOW
 11098.35 -26.98
NASDAQ
 2158.76 -14.10
S&P500
 1256.58 -5.49
SOX
 461.58 -7.58
CME225
 15565 +5
外資系12社の寄り付き前注文動向
売り2940万株、買い5020万株、差し引き2080万株の買い越し

寄付き反発で始まったダウですが、引けにかけて売り込まれ続落。底堅さは見られるものの下げ止まらず。CME225先物は大証終値から5円高。寄付き前注文動向は大幅買い越し。
これ以上売り込まれるような材料も見当たらないし、先物に買いが入ってくれば上値は軽そう。昨日の終値近辺での寄付きから昨日の寄付き近辺での引けとなれば毛抜き線。反発期待も高まります。逆に怖いのは下落途中での下放れタスキ陽線。売りの急所です。

今日のスクリーニングは直近売り込まれた銘柄の短期値幅取りです。

−検索条件−
★株価騰落率: -5 %以下
★信用倍率: 5 倍以下
★流動性: 1000 以上
★移動平均乖離率26週: 0 %以上
★ベータ(対日経平均): 1 以上
直近売り込まれて流動性が高い銘柄を基本条件に、売り圧力が比較的少ない信用倍率と値動きの良さを示す高いβ値。あと大事な事として中期的なトレンド支持ラインとなる26週移動平均乖離率がプラスのものというスクリーニングです。

Screening060524

投稿者 ronjin : 08:34 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月22日

5月22日 寄付き前

DOW
 11144.06 +15.77
NASDAQ
 2193.88 +13.56
S&P500
 1267.03 +5.22
SOX
 489.67 +15.26
CME225
 16225 +115
寄り付き前注文動向
売り3590万株、買い3630万株、差し引き40万株の買い越し

寄付き前注文動向が拮抗してる。特に大きな売り圧力も感じないし、素直に上かな。直近売り込まれて信用売りが増加して信用倍率が下がってるような銘柄は短期的な踏み上げ相場になるかもしれんね。

今日の日経はリバウンド基調を強めそうだってことで、売り圧力が弱くて短期的な値幅取りが狙える銘柄のスクリーニングをしてみましょう。
検索条件は
★投資金額は500000円以内
★信用倍率: 0 倍以上 1 倍以下
★流動性: 1000 以上
★ベータ(対日経平均): 1 以上
ということで個人投資家でも買いやすい値段と踏み上げ相場が狙える信用倍率、乗り降りがしやすい流動性に日経平均連動性の高いものというスクリーニングです。
結果は

Screening060522

この21銘柄です。この中から直近で信用売りが増えてて信用倍率が下がっている銘柄を探せば短期的な値幅は取れそうです。

投稿者 ronjin : 08:27 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月21日

スクリーニング

「株式投資で大事な事は何か?それは優良銘柄を選ぶことである。」
多くの株本にはそう書いてあります。そういう本で推奨されている投資手法とは、成長企業をいち早く見つけて安いところを買って高いところを売る事で利益を出す。また配当がしっかりした安定企業に出資して配当金を受け取るというものです。
あなたはいくらの資金を持って株式市場に参加してますか?10億円ですか?それとも100億円?

もしそうなら本に書いてある通りです。その資金の8割を安定的に配当を出しながら平均的に収益を伸ばしてる企業に分散出資して毎年1%の配当を受け取り、残り2割で証券アナリストが勧める成長著しい銘柄に投資すればいいだけです。10億円を使ってそういう投資をすれば目先の暴騰暴落などに関係なく毎年800万円の配当金と、ひょっとすれば10%成長した新興企業から2000万円のボーナスを受け取ることができるでしょう。
しかしおそらくこのサイトを見てるほとんどの人は1000万円以下の投資金額で相場に望んでいるはずです。100万円以下の人も少なくないでしょう。100万円で同じような投資をしたらどうなるでしょう?毎年8000円の配当金と、ひょっとしたら2万円のボーナスです。それでも増えたお金を全額再投資に回せば複利の力によって10年で132万円になります。しかし100万円ではポートフォリオなど組めるわけもなく、個別銘柄の値動きリスクに大きく晒されます。10年で32万円儲ける可能性より10年以内に株式市場から退場する可能性の方が高いでしょう。
多くのアナリストは、ある銘柄にはxxx円という理論株価が存在していて、その上下をオーバーシュートしながら長期的には理論株価に収束していくんだと言います。その理論株価ってのを出そうと必死に計算している人もいっぱいいます。そして発表されたアナリストの見解のまま売買する人もたくさんいます。しかし個人投資家が情報を知るときはもっと耳の早い資金が既に動いている事が多いのです。遅くとも皆さんがその情報を知った瞬間にその情報は株価に折り込まれます。あとは「よりバカゲーム」によるババ抜きの始まりです。その情報で儲ける事は難しいでしょう。
考えてもみてください。企業収益が数週間の間に5%も10%も変わりますか?にもかかわらず個別銘柄の株価は1日でそれくらい動く事も少なくありません。アナリストレポートで推奨されてるからとかそういう個人の思惑の入った情報なんかどうでもいいのです。そんな情報がなくても大きく値段の動く銘柄はたくさんあるのです。自分で見つけ出したこれから上がりそうな銘柄を買って下がりそうな銘柄を売ればいいのです。
そういう銘柄をどうやって見つけるか?そうです。その方法がスクリーニングです。

投稿者 ronjin : 12:08 | コメント (0) | トラックバック